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消えない傷跡〜残された家族、政府への苛立ち〜



     人類最大の悪夢マルコルウイルスの存在が公表された日から23年の月日が経った。
イーブル・イーターによりマルコルは殺害されたが、ウイルスの脅威が去った訳ではない。


現在陽国旗印(きいん)郊外でひっそりと暮らすリューさんは、3年前に一人娘のメイファーさんを突然ウイルスで失った。
 メイファーさんは近所のハイスクールに通う明るく活発なごく普通の少女で、医者に見せてもどこも異常はないと言われたと話す。




感染した者は、発症と同時に体の細胞のあらゆる繊維が劣化してしまうため、遺体を保存しておく事が非常に難しい。
「ウイルスに感染した者は遺体もなくなる。墓の中で安らかに眠る事すらできない」とリューさんは唇をかみしめた。


 現在あらゆる検査でも殺人ウイルスを特定できないため、感染者の家族や周囲に住む人も感染したかどうか確認できない。

この事により、感染者の残された家族も周囲の厳しい目に苛まれ続けている。リューさんも人の目から逃れるように、郊外へ越してきたと話す。



「何度ウイルスの事を聞いても政府は調査中としか返事をしてくれない。新たな犠牲者が出る前に、一刻も早く治療法を見つけてほしい」と切実な胸の内を明かした。



今回筆者は幸運な事に目撃者にインタビューする事ができた。目撃者によると、感染者は一瞬のうちに灰のようになり消えてしまったらしい。
まるでSFのようだが、これは紛れもない事実なのである。




(記者:マイク・マイヤー)


次回オピニオンのコーナー 「不妊治療を受け出産へ挑む女性〜下がる出生率と最新治療の今〜」












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